5. 模試対策をしないといけないという思い込み

勉強には一貫性が最も重要!
 学校の方から、英検を受けて下さいとか、TOEICのテストを受けて下さいとか、模試を受けて下さいとか、言われると子どもにどのように勉強させたらいいのかと不安 になることはないでしょうか。
英検対策をどうしたらいいですか、TOEIC のリスニング対策はどうすればいいのですか、という相談を受けることが私もよくあります。また、多くの学校で、中学生 に基礎英語を聞きなさい、と言って基礎英語のテキストを定期試験の範囲に入れたりしています。
確かにNHKの基礎英語はいいテキストであり、継続的に高3くらいまで、つまり英会話上級くらいまでしっかりやり続ければ相当の力がつきます。しかし、多くの学 校が中2か中3になると基礎英語シリーズの使用をあまり勧めなくなり、英検も高1くらいまでは勧めているようですが、その後はあまり生徒に勧めなくなるようです。 そして、その代わりに、TOEICなどを受験させ、そのための勉強をしなさいという学校もあるようです。
英検は英語の好きな生徒には私も大いに勧めたいし、また自分の英語力を計るよい物差しでもあります。英検を4級、3級、2級と受け、また、準1級、1級と目標を 高く掲げながら、勉強していけば相当な力がつきます。また、社会人向けの試験ではありますが、TOEICなども利用すれば、将来英語を使って仕事をしようという気持ち も出てくるかもしれません。
 英語の入試問題には関西型と関東型があり、関東型の私立大学では、TOEIC 型の社会人英語の知識を問うような会話問題や文法問題なども出題されています。したが って、将来、東京の方の大学へ行って、英語を使って国際的な場で大いに仕事をしようと思っている人には大いに英検、TOEICなども併用した勉強方法を勧めたいと思います。
ところが、関西型の入試問題は、関東型と異なり、あまり昔と変わりません。つまり、文法知識があり、きちんと読めて、きちんと日本語に訳せる、さらには日本文を 英訳できるということが基本となります。これはTOEIC や英検対策では身に付かない力です。ほとんどの国立大学はこの関西型です。 このような関西型の入試に成功するためには、あれこれいろいろなことを気にせず、基本となる文法知識を身につけ、英文をしっかり読み、知らない単語を覚え、英文和 訳の練習をし、また、基本となる暗唱例文に習熟し、和文英訳の訓練をする。この課程を繰り返し行っていくことです。この課程において、自分の力を知るために英検を 受けるのも大いに結構ですし、また、模試を積極的に受け、自分の力を知るということも大切です。しかし、くれぐれも勘違いして欲しくないのは、英検や模試のために 今日の勉強をしているわけではないのです。日々の勉強の結果を見るために、そして、自分の弱点や問題点を見つけるために試験は受けるということです。大切なことは、日々一貫した勉強を続けるということです。