2. 先生が理解できるように教えていないのではないかという不安

先生のせいにせず、子どもが覚えることから!
 先生が理解できるように教えてくれないから、うちの子供はできないと思っていませんか。確かにひどい先生もいると思いますが、英語に関する限り、分る、分らない、 という前にあまりにも覚えていることが少なすぎる場合が多いのです。he もshe も区別がつかない中学生に過去形や進行形を説明しても、なかなか理解できません。
 英語の勉強では、まずある量を覚えることが大切なのです。人間たくさん覚えるといろいろなことを比較するようになります。そして、いろいろ知っていることが増え てくると、そのとき初めて疑問がわいてきます。疑問がわくから、聞く、聞くから分る、つまり、ピンとくるという現象が起こります。
 先生の説明が分らないと子供が言ったときに、まず自分の子供がどれくらいの単語量があるか調べてみて頂きたいと思います。中学生でしたら、their, three, tree, there の違いが分っているか、There is, とThey are の区別がついているかを調べるだけでもいいのです。もし分っていなければ、とにかく英文を読みながら、一語一語 逐語訳できるまで単語を覚えさせる必要があります。先生の教え方が悪いとか良いとか考える前に、まず子どもさんの現状を把握しておきましょう。
 高校生の場合、まず文法問題集の中の英文が訳せるかどうか確認してみましょう。
もし、この段階であまりしっかり訳せないとしたら、すでに学習済みで意味が分っている教科書などを使って徹底的に語彙を増やす必要があります。すべてはある程度覚 えてからです。この時、大切なことは単語だけ覚えようとせず、テキストの音読も並行して行うことです。
 このようにして覚えていくことを日常の勉強に組み込んだ生徒は、もし、分らないことがあっても、何が分らないか言えるようになるものです。その時に初めて、先生 の説明が分りやすいとか、分りにくいと判断できるようになるのです。
 また、その頃には自分ができないのを先生のせいにすることもなくなっていることでしょう。
 大切なことは、自ら、日々「覚える努力」をすることです。